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2020 年度 実施状況報告書

三重県私有林地帯の山林管理と地域自治組織の連関―「山世話」の社会的性格に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19K15929
研究機関帝京大学

研究代表者

林田 朋幸  帝京大学, 経済学部, 講師 (80818196)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード山村 / 山林管理 / 地域自治組織 / 山世話 / 林業ネットワーク
研究実績の概要

2020年度は9月と3月に現地調査を予定しており、林業関係者・地域自治組織・行政と定期的に連絡を取り現地調査の実施に向け調整を行っていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施を見送った。現地調査の代わりとして、電話や文書のやり取りにより主に三重県松阪市飯高町波瀬地区の山林管理・地域自治組織に関する情報・資料を収集した。また、波瀬地区に関する事例と関連して、同じく飯高町内の森地区・川俣地区・宮前地区に関しても山林管理・地域自治組織に関する情報・資料を収集した。詳細は以下の通りである。
山林所有者・林業従事経験者・行政に対して、山林の所有・管理や山世話・林業労働組織の実態について、電話での聞き取りを行った。特に、波瀬地区にとどまらない山世話の広域的な林業ネットワーク形成の経緯・実態や、婚姻等の林業以外における山世話の役割について、詳細が明らかになった。また、行政や地域自治組織の役員や行政関係者に対して、地域自治組織の運営状況について電話での聞き取りを行った。特に、新型コロナウイルス感染拡大による地域自治組織の運営への影響や対応について、詳細が明らかになった。さらに、行政や地域自治組織の関係者に電話や文書で依頼し、山林管理・地域自治組織に関する資料を収集した。他に、今後の調査に必要な関係者の情報を得た。
また、山林管理・地域自治組織に関する文献を収集し、特に研究対象地域の事例と先行研究との共通点や相違点について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初予定していた現地調査の実施を見送った。当初の計画は現地調査の実施を前提としており、電話や文書で情報・資料を収集したが当初予定していた計画の一部しか進めることができなかった。そのため、十分に情報・資料を分析することができなかった。それに伴い、関連学会での研究成果の発表と論文執筆を見送った。
現地調査の実施は見送ったが、林業関係者・地域自治組織・行政に対して電話や文書でやり取りを行うことで、可能な限りで情報・資料を収集することができた。また、定期的に現地協力者と連絡を取り調査計画の立案や関係者の情報収集を行う等、2021年度の調査に向けて準備を進めている。
研究進捗の遅れについては、早急に現地調査を実施することで解決可能である。調査準備はある程度整っているため、現地との調整さえつけば2021年度の早い段階で現地調査を予定している。また、これまでの現地調査で収集した情報・資料を整理・分析し、関連学会での研究成果の発表とそれに基づく論文執筆の準備を進めている。

今後の研究の推進方策

2021年度は、引き続き主に波瀬地区での現地調査を予定している。林業関係者・地域自治組織・行政への聞き取り等により、山林管理・地域自治組織に関する情報・資料を収集する。
具体的には、山世話の広域的な林業ネットワーク形成の経緯・範域や、林業以外における山世話の役割について明らかにする。また、集落組織や波瀬地区を単位とした地域自治組織の運営における山世話の役割を明らかにしたうえで、地域自治組織の運営において山世話の林業ネットワークがどのように活用されていたかを明らかにする。そのうえで、山世話を結節点とした林業ネットワークの現代的意義を明らかにする。さらに、経済的・社会的要因に着目することで、2000年代以降に山世話の継承がほとんど行われなくなった経緯を明らかにする。
波瀬地区における事例の特徴をより詳細に分析するために、同じく飯高町の森地区・川俣地区・宮前地区における林業関係者・地域自治組織・行政への聞き取りにより、波瀬地区との比較検討を行う。また、飯高町外在住の山世話関係者や波瀬地区に山林を所有する不在地主への聞き取りを行う。
収集した情報・資料を整理・分析し、関連学会での研究成果の発表とそれに基づく論文執筆にとりかかる。

次年度使用額が生じた理由

2020年度の現地調査を見送ったため、未使用額が発生した。繰越額については、現地調査の旅費・人件費や調査関連機器の購入にあてる。

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公開日: 2021-12-27  

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