本研究の目的は、三重県松阪市飯高町の地元在住の山林管理者である「山世話」が山林管理と地域自治組織運営の双方において果たす役割を明らかにすることを通して、山村の社会経済構造を解明することである。 研究成果として、山世話を介した地域自治組織の範域にとどまらない、広域的な林業ネットワークの実態を明らかにした。そして、山世話・大規模林家・林業精通者といった林業関係者が現在に至るまで長年にわたり地域内の山林の所有・管理において果たしてきた役割とその変容過程を明らかにした。また、山林管理以外においても、山世話をはじめとした林業関係者が地域自治組織の運営において大きな役割を果たしてきたことを明らかにした。
|