研究課題/領域番号 |
19K15930
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宮井 浩志 山口大学, 経済学部, 教授 (10620908)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / インショップ型産直 / ネットワーク化 / ローカル・チェーン / 消費者評価 |
研究実績の概要 |
2022年度も年間を通じてコロナ禍による影響を受け、当初計画(昨年度の変更分を含む)調査および研究遂行が非常に厳しい一年となった。 一方でそうした困難な研究環境について、コロナ禍においての企業主導による産直流通ネットワーク化を実証する契機と捉え、新たに「すきとく市」利用者に対して2021年12月に実施した消費者webアンケート調査の定量的分析に取り組んだ。同アンケート調査の分析結果については、「コロナ禍の長期化と消費」を統一論題とした日本消費経済学会第47回全国大会(岡山理科大学主幹web開催)において、「COVID-19感染拡大下における産直流通の消費者評価に関する研究:インショップ型産直「すきとく市」の利用者に焦点を当てて 」として統一論題によるセッション発表を行う機会を得た。同学会統一論題報告(セッション)では物流・流通・消費などの分野の各専門家らによる研究発表があり、出席者を交えて活発な議論をおこなうことができた。統一論題報告を通じて、コロナ禍を契機として生鮮食品流通が大きく変化していることが確認され、企業主導による産直流通ネットワーク化に関してもその変化を検証することの重要性が明らかとなった。 また、コロナ禍での行動制限の緩和を受けて、実施が困難であった「すきとく市」に取り組む小売企業2社の現地調査と視察を行うことができた。産直担当者によるヒアリング調査から、コロナ禍における産直流通ネットワーク化の新展開についての情報を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度においてもコロナ禍による影響を受けて、調査・研究を計画通りに遂行することが困難な一年となった。しかしその一方で、コロナ禍における企業主導によるインショップ型産直について、2021年度に実施したwebアンケート調査の結果を用いて「すきとく市」の消費者評価を分析し、日本消費経済学会第47回全国大会にて統一論題報告(全体セッション)をすることができ、計画外の大きな研究成果を残すことができた。 また、コロナ禍における産直流通ネットワーク化の新展開について、行動制限の緩和から現地のヒアリング調査や視察をおこなうことで情報収集ができ、当初計画に沿った定性的な研究についても一定程度見通しを付けることができた点については大きな成果だと考えている。 さらに、これまで遅れていた文献調査についても、本務の通常化(対面講義の実施)による余剰時間を活用して、文献および資料の収集から精読・整理などの各作業をおこなうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究課題最後の延長となるが、新型コロナの5類移行による大幅な行動制限の緩和によって、研究環境の劇的な改善が期待される。 2023年度は①コロナ禍で遅れていた「すきとく市」をはじめとしたインショップ型産直市の現地調査・視察に積極的に取り組むことでコロナ禍、さらにはポストコロナ禍においてインショップ型産直に取り組む小売企業の戦略転換の実態を明らかにしつつ、②2021年度に実施した「すきとく市」利用者の消費者評価に関する分析を進め、再度の学会報告(日本企業経営学会研究大会を予定)と論文の執筆・投稿による研究の業績化に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで同様に2022年度もコロナ禍による行動制限によって、インショップ型産直を構成する生産者、インショップ型産直ネットワークの主導小売企業、ネットワーク参加小売企業などに対するヒアリング調査・視察の実施が困難であった。 また、研究会や学会など成果発表や情報収集の場についても、多くが依然としてwebによる遠隔開催であったことから、当初計画に沿った調査・研究に加えて予算執行も進まず、研究期間の延長と次年度使用額が生じることとなった。 2023年度は本研究の最終年度であるとともに、新型コロナの5類移行によって大幅な研究環境の改善、特に調査の進展が期待される。コロナ禍によって延期を余儀なくされていた「すきとく市」を構成する小売企業を中心にヒアリング調査および現地視察を行うことで研究旅費としての使用を計画している。また、コロナ禍による生鮮消費と産直の変化を補足するため、文献収集への使用を予定している。さらに、これまでの研究成果を発表するための学会出張旅費や、それを経た研究論文投稿への使用などを計画している。
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