本研究では、イヌの変性性脊髄症における変異型SOD1凝集体形成および神経炎症を制御するため、マクロファージ遊走阻止因子 (MIF) を用いた新規治療法を確立することを目的とした。変性性脊髄症モデル細胞を用いた研究成果から、細胞内MIF濃度を上昇させることで、変異型SOD1凝集体の形成を抑制できることが明らかとなった。免疫組織化学にてMIFがイヌ脊髄の神経細胞に発現していることを確認した。MIF分泌阻害剤を添加することで、細胞内にMIFが蓄積し変異型SOD1凝集体の形成が抑制されると考えたが、MIF分泌阻害剤では細胞内MIF濃度を上昇させることができず、凝集体形成抑制効果も認めなかった。
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