ウシのバベシア症は畜産業に多大な被害をもたらしており、新規のワクチンや薬剤の開発が望まれている。本研究ではバベシア原虫が寄生する赤血球へと輸送されるタンパク質に着目し、プロテオーム解析を行い、3つの新規赤血球修飾分子を発見した。そのうち2つのタンパク質(Bb60, Bb11920)はブラストサイジンS耐性原虫を作製したところ、その発現が低下したため、BSの取り込みに関与していることが示唆された。さらに、もう一つのタンパク質Bb4280は、遺伝子のノックダウンにより、Ridgeの減少、感染赤血球のウシ血管内皮細胞への低下が見られ、バベシアの病原性に関わる分子であることが示唆された。
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