研究成果の概要 |
本邦のミニチュア・ダックスフンドには、原因不明の非再生性貧血が好発する。本研究では脾臓摘出によって造血能が劇的に回復するという知見を基に、罹患犬脾臓および脾摘前後の血清を用いたマルチオミクス解析を行った。脾臓では1,385の発現変動遺伝子が検出され、S100A12, S100A8, S100A9など707遺伝子の発現上昇が明らかとなった。免疫組織化学により、罹患犬脾臓ではS100A8/A9蛋白質の発現量が有意に高いことが確認された。血清プロテオーム解析では22種の蛋白質発現に有意差が認められ、脾摘前のレクチン経路を主とした補体活性化が示唆された。
|