研究課題
CRISPR-Cas9の発展により遺伝子改変動物が簡単に作製できるようになった一方、オフターゲットの影響やモザイク個体の作出などの技術的問題や知的財産の問題点がある。我々は新規ゲノム編集ツールType I-E CRISPR-Cas3システムを開発し、ヒト培養細胞の標的配列に変異を導入できることを発見した。本研究課題では、改良型のCRISPR-Cas3を作製し、マウス・ラットの受精卵および生体組織で変異導入効率を検討することで、生体におけるType I-E CRISPR-Cas3の変異パターンの解明とゲノム編集ツールとしての有用性を証明することを目指した。当該年度は、活性を有するCRISPR-Cas3タンパク質を用いてマウスおよびラット受精卵でのゲノム編集を実施した。しかしノックアウト個体は今のところ得られていない。原因として、タンパク質複合体が変性しやすく、高濃度での投与にはグリセロール等粘性の高いバッファーが必要であり、インジェクション操作に影響したことが考えられる。今後更なるバッファー条件の検討、最適化が必要だと考えられる。組織特異的ゲノム編集を目指し、全身臓器を標的とする血清型AAV9を用いた CRISPR-Cas3発現AAVベクターを作成した。発現が低かったため、細胞レベルで複数のプロモーター領域を検討した結果、良い発現を示すものが得られてきた。マウスへの投与実験は未実施である。
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