• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

発達期マーモセットにおけるニコチン摂取を制御する神経回路の脆弱性解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K16031
研究機関公益財団法人実験動物中央研究所

研究代表者

関 布美子  公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 研究員 (40771407)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード発達 / 脳活動 / マーモセット / fMRI
研究実績の概要

本研究では子どもがニコチン依存に脆弱である一つの要因はニコチン摂取抑制機能おとび脳全体が十分発達していない点にあると考え、マーモセットをモデルに検証することを目的としている。
DREADDによる神経操作を行うため、まずマウスを用いて手綱核に投与するための検討を行った。マーモセットとサイズは異なるが参照可能な研究がマウスの方が豊富であることからマウスを用いた手術を行い脳内投与の技術取得を行った。
また、本年度はMRIにて脳神経活動を評価するために成体マーモセットを対象に覚醒下の脳活動MRIの実施環境を整備した。同一個体を経時的に計測するため、手術で頭部に固定具を設置する手法ではなく、非侵襲的に非磁性体の素材を用いて頭部を固定する手法を開発した。麻酔下のみならず覚醒下によるMRIが実施できることで神経活動を操作した際の脳活動の変化を捉えるために十分な脳活動による信号を捉えられることが可能となった。
一方12か月、18、24か月時点で同一の健常個体を対象に経時的な麻酔下における安静時脳活動MRIを実施し、脳発達による脳活動に相違があるか否かを評価した。11頭の健常マーモセットを対象に18か月齢と24か月齢の2時点で全脳活動に顕著な脳活動の変化があるか解析したところ、有意に海馬と内側前頭前野間の機能的結合性が増加していた。前頭前野は時間をかけてゆるやかに発達することから、マーモセットもヒトと同様に前頭前野は発達している可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はMRIにて脳神経活動を評価するためにマーモセットにおける覚醒下の脳活動MRIの実施環境を整備した。
造影剤を用いた信号強度の変化を追跡する方法にて脳活動を評価する方法も検討したが、覚醒下では静脈投与による侵襲性が伴うためBOLD法による脳活動MRIを適用し、全脳活動が十分評価できることを確認した。

今後の研究の推進方策

若齢マウス及びマーモセットに脳内投与が出来るように整備をすすめる。その後同一個体で経時的な撮影を実施し、発達による変化が認められるか解析を行う。マーモセットにおいては脳内投与の経験を持つ研究者に相談し、手綱核もしくは投与しやすい領域に確実に実施できるよう検討する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響によって実験実施が滞った。
次年度は試薬の購入などに充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Chd8 mutation in oligodendrocytes alters microstructure and functional connectivity in the mouse brain2020

    • 著者名/発表者名
      Kawamura Atsuki、Abe Yoshifumi、Seki Fumiko、Katayama Yuta、Nishiyama Masaaki、Takata Norio、Tanaka Kenji F.、Okano Hideyuki、Nakayama Keiichi I.
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 13 ページ: 1-15

    • DOI

      10.1186/s13041-020-00699-x

  • [学会発表] Longitudinal voxel-based analysis in Alzheimer’s disease transgenic marmosets2020

    • 著者名/発表者名
      Fumiko Seki Seiji Shiozawa Sho Yoshimatsu Yuji Komaki Marin Nishio Erika Sasaki Hideyuki Okano
    • 学会等名
      International Society for Magnetic Resonance in Medicine
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi