TUT1はU6 snRNAの成熟化を担う酵素であり、U6 snRNAの3’末端にウリジンを付加する活性を持つ。U6 snRNAの3’末端はU6 snRNPの形成やスプライソソームのリサイクルに関わるため、その成熟化は真核生物の遺伝子発現に重要なプロセスである。 本研究はTUT1によるU6 snRNA認識機構を原子レベルで明らかにすることを目的とし、ヒトTUT1とU6 snRNA複合体のX線結晶構造解析から立体構造を明らかにした。TUT1は複数のRNA結合ドメインでU6 snRNAの塩基配列や二次構造などの特徴を認識しており、全体として高い親和性と特異性で相互作用していることがわかった。
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