アルツハイマー病,パーキンソン病,プリオン病など神経変性疾患患者の神経細胞にはアミロイドの異常蓄積が見られる。アミロイドがβシート構造を多く有することなど構造学的な知見は得られているものの,種間におけるアミノ酸配列の僅かな差異が凝集性に大きく影響する原因は分かっていない。本研究では,αシヌクレインアミロイドおよびプリオンの部分アミロイドのモデル構築および分子動力学シミュレーションを行った。実験的に種間障壁に関与することが示唆されている疎水性残基に変異を入れて比較を行ったところ,構造安定性に大きな変化が見られた。これはアミロイド構造の安定性が疎水性相互作用に大きく左右されることを裏付けている。
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