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2019 年度 実績報告書

細胞の浸透圧ストレス応答機構と細胞死誘導機構における共通原理の探究

研究課題

研究課題/領域番号 19K16067
研究機関東京大学

研究代表者

渡邊 謙吾  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (20781727)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード細胞体積制御 / RVD / AVD / ASK3 / VRAC/LRRC8s
研究実績の概要

浸透圧ストレス時の細胞の体積維持機構は古い研究分野にも関わらず,浸透圧ストレスの認識から体積制御のエフェクター分子へと至る細胞内シグナル伝達機構には不明な点が多い.また,アポトーシス誘導機構についても数多くの制御分子は報告されてきたが,細胞収縮の維持というアポトーシスの特徴に着目した研究は少ない.研究代表者は浸透圧ストレス応答とアポトーシス誘導のいずれも制御するプロテインキナーゼASK3の研究を通して,ASK3が体積制御を担うイオンチャネルVRACの活性を制御するという独自の知見を得た.そこで本研究では,ASK3によるVRAC制御機構の解明を軸に,低浸透圧ストレスによって膨張した細胞体積の回復(=細胞収縮)機構ならびにアポトーシス誘導における細胞体積収縮機構を解明することで,細胞体積制御の観点から共通原理を探究することを目的としている.
本年度は,VRACの必須構成分子LRRC8AがASK3活性依存的にリン酸化修飾を受けること,さらに質量分析によって同定したASK3活性依存的なLRRC8Aのリン酸化部位の1つがVRAC活性に関与することを見出した.VRACは近年になって分子実体がLRRC8ファミリーだと同定されたばかりで,その活性制御機構については未だほとんど明らかになっていない.よって本成果はVRACのリン酸化制御の可能性を示した点で重要である.今後は,見出したLRRC8Aのリン酸化の状態変化や体積制御における重要性を浸透圧ストレスとアポトーシス誘導の観点から詳細に検討する必要がある.
なお本研究課題は,研究代表者が国外に研究滞在することに伴い,科研費制度に基づいた一時中断となる.しかし,同定したリン酸化部位特異的抗体といったツールの作製も既に進めてあり,中断が終了次第速やかに本研究課題を再開できる予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cell volume regulation in cancer cell migration driven by osmotic water flow2019

    • 著者名/発表者名
      Morishita Kazuhiro、Watanabe Kengo、Ichijo Hidenori
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 110 ページ: 2337-2347

    • DOI

      10.1111/cas.14079

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 浸透圧ストレス応答と細胞死制御における体積調節の共通性2019

    • 著者名/発表者名
      井上雅斗,渡邊謙吾,一條秀憲
    • 学会等名
      第28回日本Cell Death学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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