AMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)数は、神経細胞間の興奮性伝達量を規定する。従って記憶学習形成の分子メカニズムを理解する上で、その数の制御機構の解析は重要となる。特にAMPAR上の特定の糖鎖構造を欠失させると、記憶学習形成の基盤となる長期増強の低下が観察されてきた。そこで本研究では、特定のN型糖鎖がAMPARの数をどのように制御するか、膜表面発現量や膜表面動態に着目しながら解析を行った。結果、これまで安定的な四量体とされてきたAMPARは、膜表面上で単量体から四量体へ数百ミリ秒単位で組み替わることが分かった。そして特定のN型糖鎖が、AMPARの膜表面発現量を制御することを明らかにした。
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