研究課題/領域番号 |
19K16077
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
塩田 拓也 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 准教授 (20819304)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | BAM複合体 / グラム陰性菌 / βバレル型膜タンパク質 / ミトコンドリア / トランスロケータ |
研究成果の概要 |
グラム陰性菌の外膜に存在するβバレル型膜タンパク質は、生育や感染など様々な役割を担っている。これらが機能するためには、正しい立体構造を伴った膜組込み(アセンブリー)が必須である。アセンブリーは外膜に存在するBAM複合体によって行われる。本研究では、独自の試験管内アッセイ法によって、基質に存在するBAM複合体に認識される特徴的な配列を見つけた。さらに、中性子反射率法によって基質やサブユニットの結合に伴って引き起こされるBAM複合体の構造変化を検出することに成功した。また、ミトコンドリアのβバレル型膜タンパク質の輸送に関わる装置の立体構造および、輸送に関わる連携機構を解明した。
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自由記述の分野 |
微生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の輸送に関わる分子機械を動的に解析することは技術的な挑戦を伴う。本研究では、試験管内アッセイ法と中性子反射率法という2つの手法を駆使し、その動的な分子機構の一端を解明した。 グラム陰性菌はWHOが指定する喫緊に対策が必要な薬剤耐性菌の75%を占める。アセンブリーはグラム陰性菌の生育に必須の生理現象であり、事実アセンブリー装置を標的とした抗生物質が近年報告されている。本研究では、アセンブリーの中核を担うBAM複合体について、分子機構の解明に大きく貢献しうる構造変化を解明した。さらに、基質に存在するシグナルを発見した。これらは、今後の分子標的薬の設計を容易にすることが期待できる。
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