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2020 年度 研究成果報告書

視細胞で光依存的・ロドプシン非依存的に起こるPKA活性変化の生理的意義とは?

研究課題

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研究課題/領域番号 19K16087
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分43040:生物物理学関連
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 慎哉  京都大学, 生命科学研究科, 助教 (50814894)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード視細胞 / 網膜 / 多光子顕微鏡 / 蛍光生体イメージング / ロドプシン / PKA / cAMP
研究成果の概要

多光子顕微鏡を使ったマウス網膜の蛍光ライブイメージングを行い、桿体視細胞が持つ第二の光応答、光OFFによるcAMP依存性キナーゼ (protein kinase A, PKA) 活性化を発見した。研究開始当初の予想を覆し、桿体の光受容タンパク質ロドプシン、およびGタンパク質トランスデューシンがPKA活性化に関与することが判明した。過去の知見とアルビノマウスでの測定から、光ON時にはドパミンによって桿体PKAが抑制されることも分かった。これらの結果から、光OFF時の急速なドパミン停止と、ロドプシンからの持続的な活性化シグナル入力が統合され、見かけの光OFF活性化を形成するモデルを提唱した。

自由記述の分野

視細胞の生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

ロドプシンは桿体視細胞の視覚光応答を司る光受容体で、1867年にキューネが報告して以来、生物学の広い範囲で研究され続けてきたモデルタンパク質である。ロドプシンの主要な機能は桿体cGMP分解を介した視覚光応答の惹起、これは我々の夜間視力を司る。私はロドプシンが、桿体が視覚機能を示す強度より10000倍以上強い光を受容した際、PKAを活性化することを示した。PKAはcGMPではなくcAMPで活性化される酵素である。つまり、ロドプシンの弱光でcGMPを分解する経路に加え、強光でcAMPを合成する第二経路が判明したと言える。本研究は、長い歴史を持つロドプシン研究に新たな方向性を示した。

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公開日: 2022-01-27  

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