研究課題
若手研究
ナノ領域の温度計測が可能な蛍光性ナノダイヤモンド(FND)と発熱する高分子であるポリドーパミン(PDA)を組み合わせて、一体型ナノヒーター/温度計(FND-PDA)を新開発した。このFND-PDAを使うことによってナノ領域の熱伝導を計測可能であることを実証した。細胞内にFND-PDAを導入して熱伝導率を計測し、細胞の熱伝導率の絶対値を計測することに成功した。その結果、細胞の熱伝導率は水と比較しておよそ6分の1程度であることを明らかにした。
生物物理
細胞内の熱伝導率はこれまで細胞1個の平均値としてしか知ることができず、細胞局所の熱伝導率を計測する方法は確立されていなかった。本研究では、蛍光性ナノダイヤモンド(FND)を用いた細胞内ナノ領域の熱伝導計測法を新開発し、それが水よりも6分の1程度小さくまた細胞内に渡って大きなばらつきを持つことを明らかにした。細胞内における小さな熱伝導率と大きなばらつきは、細胞内に大きな温度勾配を作り出すことが可能であり、細胞内温度が細胞機能を制御するという新しいメカニズムが示唆された。