• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

細胞内環境下の新規構造解析手法 In-cell Native MSの確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K16091
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

末松 和美 (七種和美)  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60608769)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードネイティブ質量分析 / 不揮発性緩衝液 / タンパク質複合体
研究実績の概要

本研究では質量分析を用いた細胞内のタンパク質の構造解析手法”In-Cell Native MS”の確立をするため、令和2年度は不揮発性緩衝液存在下でのH2A-H2B二量体の測定や先端口径の小さいキャピラリーの実験を計画した。そのうち、今年度は現所属におけるネイティブ質量分析の測定環境の整備、キャピラリー作成の条件検討を行った。
これまでネイティブ質量分析の測定は客員研究員として所属している横浜市立大学にて行っていたが、今年度はコロナウイルス感染拡大の状況から出張し測定することが困難であった。そのため、研究室で保有している質量分析での測定環境の整備に着手した。使用する装置は異なるが、10から120kDaのタンパク質およびタンパク質複合体の分析が可能となった。また、測定に用いるキャピラリーの口径を検討するために、サッター社のレーザープラーを用いてキャピラリーを作成した。その結果、目的であった1μm以下の先端口径のキャピラリーの作成、石英ガラスでのキャピラリーの作成に成功した。
現在は今年度計画していた不揮発性緩衝液存在下のヒストンH2A-H2B二量体の分析と合わせ、大腸菌溶解液存在下での分析に着手するため、発現可能な配列の検討を行っているところであり、方針が決まり次第、実験に取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルス感染拡大の状況から測定装置のある横浜市立大学に出張することが困難であった。しかしながら、所属研究室保有の測定環境を立ち上げることができたため、計画した研究を遂行する準備を整えることができている。

今後の研究の推進方策

2年目で計画していた大腸菌溶解液存在下でのネイティブ質量分析のうちDHFRの実験は横浜市立大学の明石教授との共同研究で達成しているが、共発現系の実験はまだ行えていない。そのため、今年度はヒストンH2A-H2B二量体を対象とし、大腸菌溶解液存在下、不揮発性環境液存在下での実験を遂行し、タンパク質の存在環境による違いについて明らかにしたいと考えている。また、その実験と並行し、イオン化促進剤を添加せずそれらのサンプルを測定する手法の確立を目指し、測定に用いるキャピラリーや測定条件の検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は国内学会や国際学会への参加、横浜市立大学への出張を予定していたが、コロナウイルス感染のため学会自体がキャンセル、みなし開催となったために旅費が発生しなかったため、使用額が少なくなり、次年度使用額が生じた。
発生した使用額については、今年度行う大腸菌溶解液存在下の実験環境の整備や必要な消耗品にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Screening of protein-ligand interactions under crude conditions by native mass spectrometry2020

    • 著者名/発表者名
      Takano Kotaro、Arai Shunsuke、Sakamoto Seiji、Ushijima Hiroshi、Ikegami Takahisa、Saikusa Kazumi、Konuma Tsuyoshi、Hamachi Itaru、Akashi Satoko
    • 雑誌名

      Analytical and Bioanalytical Chemistry

      巻: 412 ページ: 4037~4043

    • DOI

      10.1007/s00216-020-02649-x

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi