哺乳動物細胞において、遺伝子発現を正確に制御することは、細胞工学および医療応用にとって重要である。この実現のため、人工遺伝子回路の構築が進められている。 特に、翻訳制御に基づく回路は、ゲノム損傷のリスクが低い合成RNAやレプリコンなどのベクターで機能する。 しかし、複雑な人工遺伝子回路に実装できる翻訳制御因子の種類は非常に少ない。 本研究では、利用可能な人工翻訳制御因子を大幅に拡張した。特に、Casタンパク質を翻訳制御因子として転用できることを発見し、 50以上の人工翻訳制御因子の設計、多数の人工遺伝子回路の構築を可能とした。 この成果は、今後の細胞コンピューティング研究を加速するものである。
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