研究課題/領域番号 |
19K16112
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山田 貴大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (20837736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遺伝子制御ネットワーク / ネットワーク推定 / L1正則化 / Omicsデータ解析 |
研究成果の概要 |
遺伝子発現量を網羅的に測定可能なRNA-seq技術の発展に伴い、様々な生命現象と遺伝子の間の関係性を明らかにする研究が行われてきた。これまでに時系列の遺伝子発現量から遺伝子間の制御関係を推定するネットワーク推定手法が提案されてきたが、従来手法では遺伝子制御ネットワークに見られるスパース性を考慮しないため偽陽性を多数検出するという問題が存在した。 そこで本研究では、スパース性を考慮したネットワーク推定手法を数理的に構築し、偽陽性を抑えたネットワーク推定手法の定式化を目指した。 その結果、スパースなネットワークの推定には成功したものの、発現変動が大きな遺伝子に起因する偽陽性の抑制には到れなかった。
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自由記述の分野 |
システム生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子制御ネットワークは生命現象の解明や創薬に繋がる貢献を果たしてきた。これを簡便に行うための遺伝子発現量からネットワークを推定する手法が提案されてきたが、多数の偽陽性を生み出すことから創薬などへの応用に限界が存在した。 本研究では、ネットワークが持つスパース性を考慮した偽陽性抑制法を提案し、スパースなネットワークの推定を可能とすることに成功した。さらに従来法で置かれていた遺伝子発現変動の大きさこそが制御関係に影響を持つという仮定が、偽陽性の温床となっていることを明らかにした。今後はこの仮定を除いた手法の考案により社会的実装に耐えうる方法論としてネットワーク推定を昇華できると期待される。
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