研究実績の概要 |
昨年度明らかにしたGPIトランスアミダーゼ複合体のサブユニットが核膜に存在することについて論文を投稿し、受理された(Kawaguchi et al., FEBS let., 2021)。 昨年度までの成果により、GPIトランスアミダーゼ複合体のサブユニットはお互いのタンパク質安定性に必要であることが明らかになった。興味深いことにPIGKサブユニットは他のどのサブユニットが失われてもタンパク質レベルで分解していることが明らかとなっていた(Kawaguchi et al., BBRC, 2019)。そこで哺乳動物細胞をもちいてPIGKの分解経路を明らかにすることにした。GPIトランスアミダーゼ複合体は小胞体と核膜に存在しているので(Kawaguchi et al., FEBS let., 2021)、PIGKは小胞体関連分解によって分解されるのではないかと考えた。小胞体関連分解に必要なE3ユビキチンリガーゼのノックアウトスクリーニングの結果、PIGKの分解にはHrd1が必要であることがわかった。現在この成果をまとめた論文を投稿中である。 申請書で計画していたGPIトランスアミダーゼ複合体の相互作用因子の解析を行なったが、残念ながら核膜タンパク質は同定されなかった。最終年度では別のアプローチによって研究を進める予定である。
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