研究実績の概要 |
昨年度までに、GPIトランスアミダーゼ複合体のサブユニットのうちPIGKのタンパク質安定性には他のすべてのサブユニットが必要であることを明らかにした(Kawaguchi et al., BBRC,2019)。昨年度は、他のサブユニットによって安定化されなくなったPIGKの分解メカニズムについて解析し、その結果小胞体関連分解によって複合体に組み込まれなかったPIGKが分解されることを明らかにした。本年度は、この成果を論文としてまとめ、受理された(Kawaguchi et al., Cell Struct. Funct., 2021)。
タンパク質安定性の解析の過程で、PIGKは他のサブユニットのタンパク質安定性や複合体の形成に必要でないことを明らかにしていた(Kawaguchi et al., BBRC,2019)。そこで、PIGKが核の位置を制御するために必要かどうか、視神経においてPIGKノックアウトクローンを作成して解析した。その結果PIGKは核の位置の制御に必要でないとわかった。PIGKはGPIトランスアミダーゼの酵素活性に必須であるため、核の位置の制御は酵素活性に依存しないということが明らかになった。
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