研究課題
本研究では、血流依存的に起こる血管リモデリングに注目し、血管内皮細胞による血流刺激の感知・応答機構の解明を目指した。具体的には、トリ胚において平面的に広がる血管網のリモデリングに注目し、①内皮細胞による血流感知・応答の分子機構、②血流刺激の実体、③動静脈における血管リモデリングの共通性、についての解析を試みた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動制限対策のため当初の計画通りには研究を遂行できなかったが、これまでの解析結果から、TGFβ受容体分子であるALK1が物理的刺激の感知センサー分子TRPM7/8や細胞骨格制御因子RhoAと関連して血流刺激に対する感知・応答を行うことで動脈へのリモデリングが惹起されることが示唆された。当該年度は所属機関の異動とそれに伴う主研究テーマの変更のため、本研究を実施するための実験環境を整えることを念頭においた。具体的には、トリ胚血管網を用いた生体内解析系に代わるin vitro解析系として、マイクロ流体デバイスと培養血管内皮細胞とを組み合わせた解析系の確立を試みた。結果として、デバイス内にリモデリング前のトリ胚血管網に似た血管構造を作らせる条件を見出しつつある。この他、前所属機関で携わった研究の論文化、および現所属機関におけるテーマ材料である腸上皮組織に用いた解析手法の論文化に従事した。
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Journal of Visualized Experiments
巻: - ページ: -
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