骨の形態形成制御機構を明らかにするため、ゼブラフィッシュの骨組織(鱗・舌顎骨)の形成過程を解析した。鱗と舌顎骨の細胞で細胞外基質を分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(mmp9)が発現した。鱗では溝条・隆起線を構成する細胞で発現し、細胞を除去すると、再生鱗で溝条の形成が阻害された。舌顎骨では、舌顎骨孔を通り抜ける神経軸索のシュワン細胞と孔の周囲に隣接する破骨細胞でmmp9が発現した。シュワン細胞を除去すると舌顎骨孔周囲の軟骨細胞が過剰に肥大した。破骨細胞が低形成の変異体では、骨形成に異常を示した。mmp9は、軟骨基質、骨基質の分解を促進することで舌顎骨の形態形成に必要であることが示された。
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