|
タグ付きMAN1蛋白質をアフリカツメガエル胚に発現させ、ウェスタンブロッティングなど生化学的観点からLemd3蛋白質のプロセシング（酵素的切断）を探索していたが、Lemd3蛋白質の断片化は明確に確認できなかった。しかし、TGFβシグナル (アクチビン) 存在下では、コントロールと比較して、タグ付きMAN1蛋白質の不安定化が示唆され、MAN1の核膜局在が著しく低下する事も示唆された。
一方、TGFβシグナルによる遺伝子発現制御を網羅的に解析するために、アフリカツメガエル初期胚の未分化細胞にアクチビンを添加し、経時的な遺伝子発現変動をRNA-seq.によって包括的に調べた。その結果、アクチビン処理によって、man1を含む幾つかの核膜蛋白質をコードする遺伝子の転写が抑制される事が確認できた。また、アクチビンによって発現が抑制される遺伝子の機能として、「核膜の再編成」や「核膜への蛋白質輸送制御」が顕著に示された。この事から、アクチビン存在下では、man1遺伝子の転写が抑制されていること、核膜のリモデリングが積極的に起きている可能性が示唆された。
|
