研究実績の概要 |
gfp(コントロール)及びpiwiA, piwiB, piwiC RNAi個体の時系列一個体RNA-Seq解析を行った。その結果、最も重篤な再生不全を示すpiwiB(RNAi)個体ではなく、二番目に重篤な再生不全を示すpiwiC(RNAi)個体で、最多数の発現変動遺伝子が検出された。一方で、piwiB(RNAi)個体でのみ発現が変動する転写因子を含む35遺伝子を同定した。その中でも、機能未知遺伝子Xは再生不全が起こる七日目以降でpiwiB(RNAi)個体で発現上昇が確認された。さらに、piwiC(RNAi)個体でも遺伝子Xの発現は上昇傾向を示し、piwiC(RNAi)個体で再生不全が確認される二週間前後で、発現量がpiwiB(RNAi)個体のRNAi後一週間以降程度の高発現を示す個体が確認された。再生不全という表現型の現出と非常に高い相関を持つ遺伝子発現を示した遺伝子は、本研究おいて再遺伝子Xのみであり、今後は遺伝子XのノックダウンによるpiwiB(RNAi)個体のレスキュー実験を行うことで、遺伝子Xの機能と再生不全・PSC制御の関連性について迫っていく。 また、先進ゲノム支援の受け、プラナリアDugesia japinicaのゲノム解読を行い、塩基同定精度99%以上で平均長19 KbpのHiFiリードを想定ゲノムサイズ(1.5 Gbp)の25×で取得したBUSCOを用いて必須遺伝子のアセンブル内における重複度合いを推定したところ、先行研究のゲノムアセンブルでの真核生物保存遺伝子の復元率が47.4%であったの対して(An et al., 2018)、本成果では79.6%と大幅な改善に成功した。
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