研究課題
若手研究
被子植物の雌性配偶体の発生は独特で、1つの細胞が3回の核分裂を経て多核体となった後に細胞化し、4種7細胞がそれぞれ固有の機能を獲得する。本研究は、各細胞の運命と機能を担う分子基盤を明らかにすることを目指した。1細胞の逆遺伝学的な解析によって助細胞から卵細胞への運命転換を反映した遺伝子発現の変遷を検出した。また、助細胞の花粉管誘引を支える極性分泌の制御機構を明らかにした。
植物発生学
雌性配偶体は、被子植物の繁栄を支える重複受精に不可欠な組織である。この特有な発生過程や細胞機能の制御は、不明な点が多い。運命転換時の遺伝子発現変動をとらえたことで、細胞運命の決定機構を明らかにするための基盤整備が出来た。また、花粉管誘引の制御機構の解明は植物生殖の制御技術の開発に繋がる重要な成果といえる。