研究課題
休眠シスト形成は、通常の細胞から細胞構造をつくりかえ、代謝を含む様々な生命としての活性を停止させ、強いストレス耐性を獲得するプロセスである。前年度までに、休眠シストは限りなく静的な生命現象であるにもかかわらず、積極的に細胞の障害を修復していることを明らかにしてきた。本年度は、その休眠シストにおける修復機構も含めた休眠シスト形成過程の「分子機構」に着眼し、次世代シーケンサーを使用したRNA-Seqによる解析をメインに研究を遂行した。通常の栄養細胞と休眠状態のシストからRNAを抽出し、発現が変化する遺伝子群を次世代シーケンサーを用いたRNA-Seq法により解析した。その結果、栄養細胞とシストで発現する多くの遺伝子群を同定することに成功した。それらの遺伝子群を遺伝子オントロジー解析することにより、栄養細胞特異的、シスト特異的に発現する遺伝子群の役割や働きなどを同定した。シストでは、ストレス応答に関与する遺伝子群などの特徴的な発現パターンが確認できた。
2: おおむね順調に進展している
基本的に概ね順調に進行している。本年度の成果を含め来年度研究成果の発表を行う予定である。
一部の研究成果の成果発表とそれに必要な追加実験を今後速やかに行い、本研究を総仕上げする。
学会発表がオンラインになり、旅費が生じなかったため、残額が生じている。追加実験に必要な備品、消耗品費、成果発表に必要な英文校閲費に利用する予定である。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
European Journal of Protistology
巻: 83 ページ: 125868~125868
10.1016/j.ejop.2022.125868
Pedobiologia
巻: 87-88 ページ: 150732~150732
10.1016/j.pedobi.2021.150732
原生生物
巻: 4 ページ: 5-14