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2020 年度 実績報告書

酵母から学ぶ: フェロモンと受容体が共進化する仕組み

研究課題

研究課題/領域番号 19K16197
研究機関大阪大学

研究代表者

清家 泰介  大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80760842)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード分裂酵母 / フェロモン / Cre-loxPシステム / ハイスループット / 分子適合性 / DNAバーコード / 次世代シーケンサー
研究実績の概要

多くの生物ではフェロモンを使って異性と交配している。突然変異によりフェロモンもしくはその受容体が変化すると、交配が妨げられ集団から隔離 (生殖隔離)されてしまう。そのため、フェロモンと受容体の新しい組み合わせが生まれるためには、両者がその分子適合性を保ちつつ変化する必要があるが、この共進化のメカニズムはよく分かっていない。
そこで本研究では、遺伝子操作が簡単で、かつフェロモン認識の分子基盤が分かっている単細胞生物の分裂酵母を使って、「フェロモン (鍵)と受容体 (鍵穴)の新しい組み合わせが生まれる仕組みを実験的に理解する」ことを目指した。
1) まず昨年度から進めていたCre-loxPシステムと遺伝子組換えを組み合わせた方法について、条件を再検討することにより、酵母が交配した二倍体細胞内でフェロモンと受容体遺伝子を効率良く連結させる系の構築に成功した。そこで本年度は、フェロモンと受容体遺伝子にランダムに変異導入を行い、得られた変異型集団を一斉に交配させ、交配した細胞だけを回収した。次いで、フェロモンと受容体が適合性するものを次世代シーケンサーで解析した。現在解析途中であるが、異性細胞間でフェロモンと受容体の特異性が異なるというデータが得られつつある。
2) 分裂酵母S. pombeとS. octosporusの間で、フェロモンと受容体遺伝子をスワップさせることにより、フェロモンと受容体間の特異性を検証した。その結果、M型フェロモンと受容体遺伝子は近縁種間で交換することはできないが、P型フェロモンと受容体遺伝子は交換しても機能することが分かった。さらなる遺伝子解析により、M型フェロモン受容体の6番目の膜貫通領域が特異性に大きな影響を与えていることを見出した。
本研究を通じて、分裂酵母の2つのフェロモン/受容体の分子適合性には非対称性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Distinct specificity of two pheromone G-protein coupled receptors, Map3 and Mam2, in fission yeast species.2020

    • 著者名/発表者名
      *Seike T, Sakata N, Shimoda C, Niki H, Furusawa C
    • 雑誌名

      bioRχiv

      巻: ー ページ: ー

  • [学会発表] 環境pH変化に依存した酵母のフェロモン活性の揺らぎ2021

    • 著者名/発表者名
      清家泰介, 阪田奈津枝, 小谷葉月, 古澤力
    • 学会等名
      第15回日本ゲノム微生物学会若手の会
  • [学会発表] 移動性の高いショウジョウバエからの野生酵母の単離と多様性2021

    • 著者名/発表者名
      清家泰介, 阪田奈津枝, 古澤力
    • 学会等名
      日本農芸化学会2021年度大会
  • [学会発表] 酵母界において「絶望の定理」は成り立つか?2020

    • 著者名/発表者名
      清家泰介
    • 学会等名
      酵母研究若手の会第六回研究会
  • [学会発表] 野生の分裂酵母におけるフェロモン多様性と種分化2020

    • 著者名/発表者名
      清家泰介
    • 学会等名
      生物工学webシンポジウム2020
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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