フェロモンと受容体はその分子適合性を保ちつつ変化する必要があるが、この共進化のメカニズムはよく分かっていない。そこで本研究では分裂酵母S. pombeとS. octosporusの間で、フェロモンと受容体遺伝子をスワップさせることにより、フェロモンと受容体間の特異性を検証した。その結果、M型フェロモンと受容体遺伝子は近縁種間で交換することはできないが、P型フェロモンと受容体遺伝子は交換できることが分かった。このことから、分裂酵母の2つのフェロモン/受容体の分子適合性には非対称性があることが示唆された。本結果は「フェロモンと受容体の新しい組み合わせが生まれる仕組み」を知る手がかりになるだろう。
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