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2019 年度 実施状況報告書

性的対立の解消をもたらす遺伝的変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K16198
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

後藤 寛貴  国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 博士研究員 (60737899)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード性的二型 / 性的対立 / 性決定 / 性分化
研究実績の概要

本申請課題では、生物における性的対立遺伝子の性染色体への転位が、性的対立の解消と性的二型の進化に果たす機能を解明するため、顕著な性的二型を有するクワガタムシを材料にゲノム進化学的研究を行っている。
本年は、「先進ゲノム支援」の研究支援を受けて、材料種のコクワガタ Dorcus rectus のメスの全ゲノムを解読を行った。また、性決定・性分化に重要な役割を有するtransformerとdoublesex遺伝子を同定、機能解析を行い、性決定に関わる基本的な分子機構が保存されていることを確認し、またRNAiによる機能解析系が有効であることを確認した。これに並行して、RNAseqによる発現遺伝子カタログの製作も行い、研究基盤を構築した。また、Nanoporeシークエンシングにより、コクワガタ以外にも他近縁種の全ゲノム配列をシークエンスし、他種においてもある程度のゲノムデータを使えるように準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に問題なく、予定通りに進展している。
「先進ゲノム支援」によりコクワガタの全ゲノム解読に、支援を頂いたことで、本研究を進めるにあたって重要な研究基盤を構築するめどが立った。
また、機能解析系が有効に機能することを確認したことで、性染色体上の有力候補遺伝子が見つかった際には、速やかに機能解析が行えると考えられる。
この後用いることになる近縁種についても、発現遺伝子カタログを整備したり、材料となる個体数の確保に努めるなど、順調に準備は進んでいる。

今後の研究の推進方策

コクワガタの全ゲノム情報が使えるようになり次第、Nanoporeでシークエンスしたコクワガタのオスの配列をマッピングすることで、Y染色体を同定し、Y染色体上の遺伝子の機能解析を進める。
また、他種のゲノムDNA配列をコクワガタゲノムを参照配列にして、アセンブルすることで、Y染色体の種間比較用のドラフトゲノムを整備する。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス蔓延による出張の停止や、研究実施状況の遅れにより、当初の予定よりも使用額が少なくなった。
次年度使用額として、遅れた分の実験を行う上での消耗品の購入など研究推進のために使用する。

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公開日: 2021-01-27  

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