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2020 年度 実施状況報告書

遺伝子発現ゆらぎの分散と多峰性が進化速度におよぼす影響の測定

研究課題

研究課題/領域番号 19K16207
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究

研究代表者

近藤 洋平  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 助教 (00724444)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード遺伝子発現制御 / 進化実験
研究実績の概要

連続培養による分裂酵母の実験室進化実験を実施したが、細胞凝集の問題によって一週間程度以上の培養が難しいことが判明した。この問題の解決のため、培養温度および振盪速度の最適化、培地種類の検討、また先行研究によって有効性が示されている培地へのガラクトース添加を行ったが、大きく改善することができなかった。しかし上記の実験によるデータは本分野ににおける実験自動化に向けて有用となる。

昨年度にプロモーター領域へのランダム変異導入によって作成した発現異常株について、表現型の原因となっている変異を特定するために変異プロモーターの配列をシーケンシングし、発見された変異を個別に変異前のプロモーターに導入した。しかし、いずれも発現異常を示さなかった。そこで発現異常株についてランダムスポア解析を実施したところ、プロモーター外部のゲノム領域における変異が発現異常の原因となっていることがわかった。したがって、この昨年度樹立した株は本研究の目的のために用いることは難しい。ただし、その発現異常はそれ自体は興味深いものであり、今後その振る舞いをより詳細に調べたい。新たな発現異常株の候補として、我々が主に使用しているモデル生物S.pombeの姉妹種であるS.japonicusのDNA配列をクローニングし、S.pombeに導入して蛍光プローブを発現させることによって振る舞いを観察した。発現量や局在などに姉妹種間で様々な違いが見られたため、より詳しく調べるために国立遺伝学研究所のJapoNetからS.japonicus研究のための菌株やベクターの分譲を受け、次年度に向けて準備した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の計画は分裂酵母の薬剤耐性の実験室進化であった。しかし、タービドスタットによる連続培養は細胞凝集の問題によって一週間程度以上の長期培養が困難であることが判明した。代替策として手動で培地を定期的に希釈するという素朴な方法があるが、こちらはCOVID-19感染対策との両立が困難であった。

今後の研究の推進方策

細胞凝集の防止に向けてflocculinをコードしているgsf2など関連遺伝子のノックアウトを予定している。ただし実験室進化というアッセイの性質上、ゲノムの変更は最小限にとどめたい。それでも大きな改善が困難な場合は、タービドスタットによる連続培養に代えて培地の定期的な希釈によって長期培養し、分裂酵母の薬剤耐性進化を観察する。また、実験期間短縮のために、より増殖の速い姉妹種S.japonicusの使用も検討している。

次年度使用額が生じた理由

タービドスタットによる長期連続培養に問題が発生したため、予算の使用にも遅れが生じている。予算の使途そのものには変更がないため、次年度に研究計画に従って使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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