研究課題
若手研究
ヤマトシロアリ腸内に共生するオキシモナス目原生生物群集に着目した。同オキシモナス目原生生物群集の真の種多様性と多種共存機構の解明を目的として、高解像度分子系統解析、種分化シミュレーション、および種間ニッチ分化の検証を行なった。同オキシモナス目原生生物群集についてはこれまで形態学的に10種が記載されてきたが、解析の結果、実際には分子系統学的に非常に近縁かつ独立した33種もが共存していること、さらに各種が固有のニッチを保有するエコタイプに相当する可能性が強く示唆された。
微生物生態学
本研究は難培養性のシロアリ腸内原生生物の種多様性と多種共存機構について新たな研究方法と知見を提示した。種とはなにかまた自然界の多様な多種共存機構の理解は、生物学および生態学の根幹的テーマである。本研究の成果は、シロアリ腸内原生生物ばかりでなく、近年発展著しい原生生物(全般)の種多様性研究に貴重な知見を付与するものである。