研究課題/領域番号 |
19K16227
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
角田 智詞 信州大学, 学術研究院農学系, 助教(特定雇用) (30747936)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グルコシノレート(からし油配糖体) / 最適防御理論 / 植物-昆虫相互作用 / 地上部-地下部相互作用 / 誘導防御の分子機構 |
研究実績の概要 |
初年度は、植物(アブラナ)と根食昆虫(ドウガネブイブイ幼虫・キャベツハナバエ幼虫)、病原菌(アブラナ科炭疽病菌)の相互作用を検討する実験系の確立を目指した。アブラナと根食昆虫を材料とした実験系を確立し、根食に起因するグルコシノレートの濃度上昇(誘導防御)の分子機構を解析した。根食後12時間、24時間、3日、7日後に、グルコシノレートの生合成と輸送に関わる遺伝子の発現をそれぞれ評価したところ、生合成と輸送の両方によりグルコシノレートの濃度上昇が生じたことが示された。根食後12時間後には、既に両者の遺伝子発現の上昇が見られ、素早く応答していた。本結果は、既に英文学術誌(査読あり)に掲載されている (Touw et al. 2020. Frontiers in Plant Science, 10, 1653)。 一方、アブラナ科炭疽病菌については、材料としたアブラナ品種に感染しなかったため、感染するアブラナ品種をスクリーニングしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は概ね順調に進展している。一部の部分課題については予想以上の進展が見られ、誌上発表できた。一方、入手したアブラナ科炭疽病菌が材料としたアブラナ品種に感染しなかったため、それを用いた課題の遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
入手したアブラナ科炭疽病菌が感染するアブラナ品種をスクリーニングする。それを材料とし、二年目は計画通り課題を継続する。ただ、根食昆虫であるドウガネブイブイを採集している多摩川河川敷(東京都)が、2019年10月のスーパー台風Hagibisによる増水により壊滅したため、今年度の材料調達に支障が出ないか懸念される。
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次年度使用額が生じた理由 |
譲渡により取得できた物品があったため、差額が生じた。次年度に試薬・消耗品購入のために使用する。
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