リュウキュウスガモを含めたアマモ類は沿岸域生態系において水浄化や生物多様性維持などの重要な役割を担うとともに、ブルーカーボンの一部として地球温暖化防止の鍵を握る植物である。陸上植物においてはその成長への微生物の関与がよく研究されており、実際に微生物を植物の栽培に応用している例があるが、水中植物についてはまだ報告が少ない。本研究の結果は、陸上植物の根でよく見られるような植物―微生物間相互作用が、アマモの場合は葉でも起こり得ることを示す。これは、水中植物の生態に関する新しい知見となるだけでなく、近年急激に減少しているアマモ群落の維持、再生に葉表面の微生物が応用できる可能性を示すものである。
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