研究課題/領域番号 |
19K16238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) (2020-2022) 総合地球環境学研究所 (2019) |
研究代表者 |
原口 岳 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), 環境研究部, 研究員 (90721407)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生態系管理 / 鳥獣被害対策 / 安定同位体分析 / 同位体地図(アイソスケープ) / 空間明示的な管理計画 |
研究成果の概要 |
窒素・炭素・酸素の安定同位体分析を、農作物被害を引き起こすシカの分布とその変遷を明らかにする手法へ応用することを目的として、大阪府北摂地域で捕獲されたシカから得た試料の分析を実施した。シカのエサ植物の代表として野生植物であるササ・栽培作物であるイネの同位体組成を分析し、シカ捕獲地域におけるこれらエサ植物の同位体の分布を表す地図を作成した。耕作地付近で捕獲されたシカは高い窒素同位体比を示し、シカの窒素同位体比が農作物利用の指標となることが確認された。研究資料として保存されていたシカの歯から抽出した骨コラーゲンの分析によって、2008年以前の過去に遡って農作物加害の実相を明らかにした。
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自由記述の分野 |
生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業被害の増加に伴う野生動物の効果的な管理・防除施策に対する要請を背景として、安定同位体分析による近過去のシカと現在のシカの生態を、栽培作物の利用率に着目して比較する手法を開発した。本手法により、シカが大きく個体数密度を増やす前後における食性の違いを共通手法により比較することや、客観的な指標に基づいてシカによる農作物被害の実態を評価することが可能となった。今後、地域ごとの防除実施状況などの情報と組み合わせることにより、空間明示的な防除施策の立案に活用していくことが期待される。
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