本研究ではオキシトシンに着目し、メダカの配偶者防衛行動の神経基盤解析を行った。オキシトシンやその受容体遺伝子を欠失させたメダカのオスでは、初対面のメスに対する性的モチベーションが低く、配偶者防衛行動をほとんど示さなかった。 一方、生まれてから性成熟まで同じ水槽で飼育したメスに対しては、正常オスよりも強い配偶者防衛行動を示した。トランスクリプトーム解析により、シナプス刈り込みに関与するc1qの構成要素の全ての遺伝子の発現量がオキシトシン変異メダカにおいて減少していることが明らかになった。 オキシトシン変異メダカオスにおける配偶者防衛行動異常も神経刈り込み異常が原因になっている可能性が考えられた。
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