海馬において報酬周辺の場所細胞(報酬場所細胞)は他の場所より数が多く安定した性質を示す。報酬場所細胞の機能的役割と形成機構を明らかにするため、複数の仮想現実直線路課題を探索中のマウスの海馬神経活動を二光子顕微鏡で観察した。報酬の場所を特定できないよう毎回変更すると、報酬場所細胞の過剰表現は観察されなかった。報酬場所で2秒間止まると報酬が得られる遅延課題では報酬場所細胞の一部は静止中に活動した。従って報酬場所細胞は予測した報酬か報酬場所認識に関連した細胞であった。報酬場所の再配置では、新規学習と異なり、既存の認知地図から再編成されることで、報酬場所細胞が迅速に形成されることが明らかになった。
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