薬物依存症において脳深部刺激療法(DBS)が有効であるが、その作用機序は未解明であった。その作用機序を脳構造変化の観点から解明する事を目指した。全脳探索的に脳構造変化を解析できるMRI技術を用いる事で、薬物依存マウスでは背側線条体、側坐核、前頭葉で脳体積の増加と脳微小構造が変化している事を発見した。また、これらの脳領域ではシナプス密度が増加している事が分かった。薬物依存マウスの線条体にDBSを行うと、線条体、側坐核、前頭葉で体積増加を抑える事が出来た。また、シナプス密度も減少していた。このことから、DBSの作用の一つとして、シナプス構造変化を介している事を発見した。
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