研究課題/領域番号 |
19K16300
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
野々村 聡 玉川大学, 脳科学研究所, 研究員 (10737125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 線条体 / 直接路 / 間接路 / 目標指向行動 / 運動発現 |
研究実績の概要 |
運動発現の制御と目標指向行動に関わる線条体内の小区分(背外側・背内側・腹側)における直接路および間接路の神経活動特性を明らかにするために、本年度は、主に神経活動記録実験を中心に行った。本実験で用いた行動課題は、目標を達成するために、手元のレバーを押し・引きすることで確率的に報酬(水)が得られる課題である。およそ1か月の行動課題訓練の後、課題遂行中のラットの線条体・直接路または間接路から神経活動記録を行った。直接路の神経活動記録にはTac1-creラットを、間接路の神経活動記録にはDrd2-Creラットを用いた。記録領域は、背外側線条体と背内側線条体をターゲットにした。現時点で、行動課題遂行中の間接路細胞の神経活動記録をおおむね終了した。同様の領域で、直接路の神経活動記録も始めている。また、本成果は第42回日本神経科学大会で、「Differential activity of indirect pathway neurons in the dorsolateral and dorsomedial striatum for action selection」というタイトルでポスター発表を行った。本実験を引き続き遂行することで、近い将来実験を終わらせることができ、順次解析、論文執筆に移行することできると考える。また、解析の結果、記録領域ごとの特性が観察できた場合には、関連領域の活動を光遺伝学的に操作することによって、因果性の検証をする追加実験を行う予定である。 本研究の遂行は、線条体における多様な機能を神経回路レベルで理解するために重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は、所属研究室の移動に伴い、8月から1月までの間の5ヶ月間実験を中止していた。そのため、やや予定していた実験が遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
実験が稼働し始め、日々新しいデータも集まってきているので、引き続き実験を継続することで、当初の計画通り、本年度中に、本格的な解析、学会発表、論文執筆につなげることができると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、所属研究室の移動があり、約半年の間、実験を中止している期間があった。そのため、当初予定していた実験機材を購入せず、現存するセットアップで可及的速やかにデータを取ることを優先した。 次年度は、翌年度分を計画通りに使用するとともに、本年度予定していた実験機器を速やかに購入し、新たな実験セットアップを行う。
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