研究成果の概要 |
2本のペプチド鎖がN,O-アセタールで架橋された前例のない枝分かれペプチドである抗菌活性スタロバシンIの全合成について検討した。オルトエチニル安息香酸に対する金触媒を用いたN,O-アセタール形成反応を見出すことで、シクロプロパンアミノ酸のアミド窒素と3-ヒドロキシバリンの側鎖水酸基との間における立体的に混んだ位置でのN,O-アセタール形成を初めて達成した。 また、アジリジン形成と続くマロン酸ジエチルのダブルアルキル化をワンポット反応を鍵として光学活性な多置換シクロプロパンを3工程で得る手法を見出し、スタロバシンIの構成因子である特殊アミノ酸カルノサジン類の短工程かつ拡散的合成に成功した。
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