芳香族ボロン酸は水のみを排出しつつアミド縮合を触媒するため、化学量論量の試薬が不要かつクリーンな有機触媒として大きな注目を集めてきた。しかし、芳香族ボロン酸はアミノ酸同士の縮合に対する触媒活性が著しく低い。筆者はgem-ジボロン酸がアミノ酸やペプチドフラグメントを触媒的にカップリングできることを報告した。本触媒は構造修飾の余地を残しているため、さらなる高活性触媒の創出により実用的なペプチド合成触媒となり得る。その実現に必要なgem-ジボロン類の官能基化に向け、既存法では困難な構造変換可能にする新規gem-ジボロン酸誘導体を見出しており、高活性ペプチド縮合触媒の創出に向けて引き続き検討を進める。
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