研究課題
若手研究
本研究では、ヌクレオチド2分子からなる環状化合物である環状ジヌクレオチド類を基盤とした創薬化学研究により、がん免疫療法薬としての応用を志向したSTINGアゴニストの獲得を目的として研究を実施した。環状ジヌクレオチド類のリン酸ジエステル部を、プロドラッグ基を有するリン酸トリエステル構造へと変換したアナログの開発により、天然型環状ジヌクレオチド類と比較して、約10,000倍STINGアゴニスト活性を向上させることに成功した。
核酸創薬化学
本研究では、強力なSTINGアゴニスト活性を有する中分子化合物の獲得に成功した。STINGの活性化は、ヒトを含む哺乳動物において、自然免疫系の活性化に繋がる。したがって、本研究により獲得したSTINGアゴニスト化合物は、感染症やがんに対する免疫学的治療薬の候補化合物となり得るため、学術的ならびに社会的意義が大きい。さらに、開発した化合物を活用して、STINGと疾患を関連づける新しい分子メカニズムの解明研究にも着手しており、創薬領域において更なる研究の発展が期待される。