研究課題
若手研究
複素環骨格は医薬品を始めとする生物活性物質の母核であり、その新規修飾法や骨格構築法の開発は、医薬品シーズ探索や構造活性相関研究に貢献する重要な研究課題である。本研究では、スルホニルクロリドから生じるスルフェンとヘテロ芳香族N-イリドとの[3+2]付加環化反応の開発を行った。その結果、多様な含窒素複素環やスルフェン前駆体に適用可能な反応条件を見出し、ユニークな環状スルホン縮合含窒素複素環の効率的合成法として確立した。
有機合成化学
環状スルホン縮合複素環類は生物活性物質中に広範に見られる重要な化合物群である。しかし、主な合成法は多工程を経て得られるチオエーテルの酸化であり、汎用性の高い骨格構築法は未開拓である。本研究では、創薬シーズとなりうる環状スルホン縮合含窒素複素環の簡便合成法を確立するとともに、新たなスルフェン前駆体も見出した。本研究成果は、有機合成化学のみならず創薬化学領域の発展にも貢献すると期待される。