研究課題
若手研究
バイオ医薬品開発における課題の一つであるタンパク質の界面変性について、タンパク質溶液の泡化と水素/重水素交換質量分析(HDX-MS)を組み合わせた新規分析法を確立し、詳細な(ペプチド(アミノ酸数残基)レベルの高い分解能での)解析を行った。ヒト血清アルブミンを用いて測定を実施したところ、気液界面への吸着によって、ヒト血清アルブミンの疎水性の高い領域が露出することが示唆された。
タンパク質科学
バイオ医薬品は有効性が高く、広く用いられていますが、タンパク質の凝集などバイオ医薬品特有の問題も存在している。タンパク質の界面変性はタンパク質凝集を引き起こす要因の一つとしてしられているが、界面上のタンパク質を解析方法が限られていたことから、これまで詳細な界面変性に関する構造解析は行われていなかった。本研究では、新規分析法を確立し、タンパク質の界面変性をペプチドレベルの分解能で明らかにした。この結果および確立した方法は、より安全なバイオ医薬品の開発に繋がると考えられる。