本研究では、ミクログリアの活性を評価可能なマウス大脳皮質スライス培養を確立し、in vivoおよび培養細胞を組み合わせて、メチル水銀は、マウス脳内でミクログリアにおいて炎症性サイトカインであるTNF-αの発現を増加させることを見出した。また、ミクログリアから放出されたTNF-αは、神経細胞のTNFR1を介して神経細胞死を惹起することも明らかにした。また、メチル水銀によるミトコンドリアROS産生亢進を介したASK1/p38の活性化が、上記の誘導に関与することを突き止めた。 以上は、中枢神経においてミクログリアと神経細胞のクロストークがメチル水銀による毒性発現に寄与することを新たに示唆している。
|