研究課題
若手研究
大腸菌においてポリアミンは、いくつかの転写因子の翻訳を制御することで、遺伝子発現を調節する。本研究では、ヒストンアセチル化に焦点を当て、真核細胞におけるポリアミンの遺伝子発現制御機構を解析した。ポリアミンは、ヒストンアセチル化酵素であるGcn5及びHat1 を翻訳レベルで発現促進し、ヒストンアセチル化を促進することで、細胞増殖関連遺伝子の遺伝子発現を制御することが明らかとなった。
分子生物学
エピジェネティックな遺伝子発現制御の一つであるヒストン修飾は、異常が起こると、がんなどの疾患の発症に寄与することが知られている。しかし、ヒストン修飾を担う修飾酵素の明確な制御因子は同定されていない。本研究では、細胞増殖因子ポリアミンがヒストンアセチル化酵素の翻訳制御因子であることを明らかにした。したがって、ヒストン修飾異常解明や新薬開発(創薬ターゲット)の基盤となる成果が得られた。