カドミウムは,様々な疫学的研究により血管病変進展の危険因子であることが明らかになっており,培養細胞レベルだけでなく個体レベルにおいてもそれを裏付ける分子基盤の解明は進んでいる。一方,我々は,日常的に様々な食品を摂取しており,それらの食品中には,多くの重金属が含まれている。食品中成分による重金属との相互作用に関する様々な報告は存在しているが,重金属同士の相互作用に関する報告は少ない。カドミウムとこれら重金属の相互作用の有無を明らかにすることは,他の食品成分との相互作用と同等以上に重要であり,血管病変進展におけるカドミウムのリスクをより現実的に理解することに貢献する。
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