アミロイドβ(Aβ)の蓄積と凝集は、アルツハイマー病の病態形成における重要な要因である。我々は、アミロイドペプチドであるAβ1-29がCu2+存在下で立体構造を変化させ、神経細胞毒性を示すことを以前に明らかにした。今回、我々はAβ1-29がCu2+と結合するのに重要なHis残基をAla残基に改変したペプチドを用いてCDスペクトル分析を行ったところ、神経細胞に対して毒性を示すアミロイドペプチドに共通な二次構造が存在することがわかった。さらに、糖尿病の発症に関連するヒト膵島アミロイドポリペプチド (Amylin)も同様の二次構造を取ることで神経細胞毒性を発揮している可能性が示された。
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