神経剤の生体試料からの使用証明のための分析法は不十分であり、特に新たな神経剤であるノビチョク類の分析法は未報告だった。研究代表者は、縮合剤DMTMMとLC-MS/MSを活用し、ノビチョクA剤の分解物と従来の神経剤分解物RMPA類の分析法を開発した。この方法では、DMTMMを活用してノビチョクA剤の分解物を安定なエステルに変換し、LC-MS/MSで検出することができる。これを利用し、尿中のノビチョク分解物の分析法も実現した。RMPAの検出限界は従来の方法と同等だが、ノビチョク分解物の高感度な分析はこれまで非常に困難だった。本法は低コストかつ汎用機器を用いており、多くの研究室でも容易に実施できる。
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