本研究では、細菌の一種マイコプラズマによる医薬品製造細胞の汚染を検出するため、質量分析機を用いたメタボローム解析を行い、また、この解析を通じて、マイコプラズマ汚染に関するメカニズムの解明を目指した。 抗体医薬品の製造に用いられるCHO-DG44細胞に、マイコプラズマを接種すると、細胞の生存率及び増殖性に影響せずにマイコプラズマが増殖した。医薬品の品質管理で求められる検出基準未満の菌量であっても、細胞培養後には超過する菌数に増殖した。質量分析機LC-MS/MSによって感染細胞及び細胞以外の培地成分を解析し、マイコプラズマ汚染に特異的な脂質分子を検出した。
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