研究成果の概要 |
近年、炎症性腸疾患(IBD)患者の大腸において、ユビキチンリガーゼRNF183の発現が亢進していることが報告された。RNF183は基質タンパク質の同定もされておらず、生理的機能は不明であった。本研究成果により、RNF183の基質タンパク質の同定に成功し、RNF183がイオントランスポーターNa,K-ATPaseやNKCC1のライソゾーム分解を促進することを明らかにした。Na,K-ATPaseやNKCC1はIBD患者の大腸において発現減少の報告もあり、RNF183の発現亢進がIBDの病態へ関与する可能性が示された。また、近位ビオチン標識法がユビキチンリガーセの基質同定に有用であることも示した。
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